2020年5月25日の「屋久島暮らし残照録・日誌編:No.010」の記事です。

クチナシの花については、わが家ではよく話題になる花である。妻が羊毛を紡いで織ることを趣味にしているのだが、紡ぐ前に原毛を染める。そして染めた各色の原毛を混ぜ色を調整してから糸を紡ぐ。その染料の一つとして黄色に染めるためクチナシの実を使うことがある。そして最近はしていないが、何年か前まではよく冬になると妻のあとをついて行って農道横に自生しているクチナシの木の赤くなった実を採って歩いたものである。


左: わが家で初めて咲いた野生種     右: 八重の花の園芸種

そんなあるとき、わが家の垣根の茂みにクチナシの木の葉らしきものを見つけた。鳥が種を運んできたものが芽を出して大きくなったのかも知れない。50cmかそこらの実生の苗木みたいなその木を、私は庭の縁に移植した。それから何年もただ木がゆっくり大きくなるだけで、クチナシかどうかと気になることもあったが、今年5月初めてその木に花が咲いたのを見たらやっぱりクチナシの花だった。他に数個つぼみも付いていた。

私は大分前に移植した木がなかなか大きくならず、クチナシかどうか分からない気がして、草木を売っている店でクチナシと札のついている苗木を買って来て、別の場所にそれを植えた。それはすぐ花をつけたが八重の花で思ったクチナシとは違った。あとで調べたら、庭木としてよく栽培されているクチナシは多くは八重咲きのクチナシで花は見ごたえがあるが実はつけないそうである。私は野生種のクチナシの六弁が星形に開く白い花の方が好きである。



(関連記事)
屋久島方丈記・日誌編:
  No.115  自生のクチナシの実を採って羊毛を染める  (2012.07.30)


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